ドローンを使った副業をお考えの人へ。仕事や稼ぐ方法のポイントをご紹介!
ひと昔前までは「カメラ搭載のラジコン」のような位置づけで主に個人用途として使われていたドローンも、今では様々な業界・分野で活用されるようになっています。また、そうした多様な活用方法に合わせて、多くの企業がドローンの開発や製造を手がけるようになりました。
このように年々広がりをみせるドローン業界の中で、個人が手軽にドローンを活用しながら仕事にできないかと考える人も多くなっています。ここでは、そんなドローンを使った副業やアルバイトについて、これから始めたいと考えている人に向けて詳しく解説していきます!
ドローンでそもそも副業は可能なの?
これまで、副業といえば多くの企業の社内規定もあってごく一部の人だけができる“お小遣い稼ぎ”でしたが、働き方改革や長引く不況、さらにはギグワークの登場によって、今では多くの企業で副業が解禁されつつあります。
そのため、今ではアフィリエイトやWebライティング、またはインフルエンサーなどのネットビジネスや、動画編集、資料作成、または個人事業主としての配達サービスなど、さまざまな副業が人気を集めています。
そんな中、ドローン市場がますます広がりと過熱をみせていることから、「ドローンを使って副業はできる?」という考えや疑問が多くの人に広がりつつあります。結論をいえば、今やドローンを使った副業は、技術的には全く問題のないフェーズに到達しているといえます。
ドローンでできる仕事・副業について
ドローンを活用したビジネスが拡大をみせる中、意外にも個人が副業としてできるビジネスはまだまだ浸透していないといえます。ここでは、ドローンでできる副業について、代表的なものをご紹介します。
写真撮影
ドローンを活用した副業で最もメジャーかつ間口が広いものといえば、写真撮影です。不動産業界や観光業界のように写真の出来が集客に直結するような業界では、その需要は非常に高いといえるでしょう。
従来は撮影することができなかった、もしくは撮影に多くのコストがかかっていた高所や高所からのアングルの写真は、ドローンに搭載されたカメラならではのものです。不動産や観光地であれば被写体は静止しているため、撮影に関する技術はそれほどまでには求められないという特徴もあります。まさに、ドローンのビギナーに向いている副業といえます!
動画撮影
静止画の撮影と同様にニーズが大きいのが、動画の撮影です。写真よりもやや難易度が高くなるものの、それだけ高い報酬が期待できます。上述した観光業界をはじめ、屋外にある大型アミューズメントパークやスポーツ施設、または山や海、森林などの風景が主な被写体です。
どのようなアングルやコースを辿れば全体を美しく魅せられるかといった点に配慮しながらの撮影が求められるため、基本的なカメラワークの知識とドローンの操縦技術が必要となります。また、撮影した動画を編集するスキルも併せて必要となるため、ドローンの初心者であればまずは写真撮影から始めるとよいかもしれません。
点検・調査・観測
写真や動画の撮影の派生ともいえる副業が、施設や家屋の屋根・壁面の点検・調査です。ドローンが登場する以前は、施設や家屋の点検には専門業者が足場を組み、それを登って写真を撮影するという手法が用いられていました。この方法では足場の建設費などのコストが多くかかり、依頼者にとっては大きな負担でした。
しかし近年では、カメラを搭載したドローン一台で容易に点検や調査が可能となり、コストは大幅に削減されるようになっています。
上述した写真撮影と似ている点は多くありますが、不動産業界や観光業界で求められるドローンの撮影技術が主に広い空間での飛行・撮影であるのに対して、点検・調査で求められるのは被写体に数cm~数mまで接近した飛行・撮影であるという点が大きく異なります。
なお、通常の写真の撮影・解析だけでなく、赤外線カメラを利用した劣化部分の検出といったニーズも近年では増加しつつあります。
農薬散布
日本国内の農家の高齢化や若年層の減少により、農業分野では深刻な担い手不足や労働力不足が生じています。こうした背景から、これまで重労働であった農薬散布の負担を大幅に軽減させるドローンの活躍が注目されるようになっています。農家によってはラジコンヘリを活用して散布を行っているところもありますが、より効率的な方法として近年ではドローンに置き換わりつつあります。国内の農薬散布でドローンを導入している割合は、全体の10%ほどになっているといわれています。また、近年では専業で2,000万円ほどを売り上げている個人事業主も登場しています。今後はますますの需要の増加が期待されているため、副業としても魅力のあるものとなっています。
ドローンインストラクター
資格を所有したドローン上級者であれば、これからドローンを始める人や始めたばかりの初心者を対象に、操縦技術を教えるという副業も可能です。家庭教師のようにマンツーマンで教えるスタイルや、数人の希望者を集めて講習会形式で行うスタイルなどが考えられます。
また、操縦の実技だけでなく、ドローンに関する基本的な知識や動画編集・データ解析ソフトの使用方法、メンテナンス、さらに法整備や規制、各種のルールなども併せて教えるなど、ドローン初心者のニーズを満たすサービスを幅広く提供することで多くの生徒を集められるかもしれません。
ドローンの操縦方法の習得はインターネットでの情報収集だけでは難しい面もあり、こうした対面での情報・技術の提供は安定したニーズがあるといえます。
ドローンで副業を始める前に準備すること
新たにドローンで副業を始める前に、必ず押さえておかなければならない点や用意しなければならないものがあります。主に、知識・機体・資格・技術が挙げられます。
ドローンの購入
ドローンを使って副業をする際に不可欠なのは、ドローン本体です。現在は多種多様なドローンが販売されており、価格帯は数千円~数百万円と、非常に広くなっています。趣味で購入するのであれば、場合によっては数万円~数十万円の機体でも問題ありませんが、あくまで収入を目的としたビジネスを主軸として考える場合、費用対効果を考えることが大切です。
どの程度の投資額でどの程度の収益を確保できるのか、事前に明確にしておかなければなりません。たとえ副業として月に数万円の収入があっても、機体の購入価格が数百万円であればそれはもはや副業とはいえないでしょう。そのため、「どのようなビジネスをするのか」「そのためにはどのような機体スペックが必要なのか」を考えることが副業の第一歩となります。
ドローンに関する基本的な知識・技術
ドローン本体を購入すれば、それで直ぐに仕事ができるというわけではありません。ドローンに関する基本的な知識と操縦技術は、ビジネスだけでなく趣味としてドローンを操縦する場合であっても必要不可欠です。
特に知識に関しては国が定める法律による規制があるため、違反した場合は処罰の対象となるので注意が必要です。
資格取得
これからドローンを始める人が必ず覚えておかなければならないのが、ドローンに関する資格についてです。特定の条件を満たすドローンは、操縦(使用)にあたって資格や免許が必須となります。
たとえば、「5.8Ghz対応」と記載のあるドローンは、「電波法」で定められた国家資格が必要です。特定の周波数帯の使用にあたって電波に関する資格を取得しなければなりません。
一般向けに販売されているドローンの多くは電波の周波数が「2.4Ghz帯」ですが、ドローンレースなどで用いられるFPV仕様のドローンは、多くの場合が「5.8GHz帯」となっています。5.8GHz帯の周波数を使用するドローンを操縦するためには、国家資格である「第四級アマチュア無線技士」の資格を取得する必要があります。また、産業用のドローンに多い「5.7Ghz帯」の周波数を利用するドローンの場合は、同じく国家資格である「第三級陸上特殊無線技士」の取得が必須です。
このように、ドローンを操縦する場合は機体の性能や仕様によって資格が必要になることから、くれぐれも注意が必要です。資格は独学で合格することも可能ですが、不安な人に向けた養成課程講習会なども実施されているので安心です!
資格取得にあたっては、他にも注意点があります。それは、無線機器を使用するための「無線局の開局申請」です。申請には、自身が取得した免許番号と、使用するドローンに搭載する映像送信器(VTX)の系統図を提出する必要があります。詳しい方法は一般財団法人日本アマチュア無線振興協会の公式ページで確認することができます。
資格の取得および開局申請が終わればドローンの飛行が可能となりますが、特定の場所を飛行する場合にはさらに「飛行許可申請」が必要になることもあります。
たとえば、機体重量が200g以上のドローンを飛行させる場合は、改正航空法によって「地上又は水面から高さ150m以上の空域」「人口集中地区の上空」「空港周辺の空域」での飛行が禁止されているため、事前に国土交通省の管轄である航空局や事務局への申請が必要です。また、機体重量が200g以下の場合は、小型無人機等飛行禁止法によって国が指定するエリアでの飛行には警察署への申請が必要です。
これらの申請が終わってようやく、ドローンによる飛行が可能となります。
動画編集・写真編集技術の向上
ドローンによる副業として写真や動画の撮影を行う場合、撮影したデータを納品することが求められるためデータの編集技術も必要となります。撮影データを編集無しで納品するケースが全く無いというわけではありませんが、多くの場合は撮影と編集はセットであると考えておきましょう。
また、ドローンインストラクターとして副業を行う場合でも、オプションとして編集ソフトの使用方法などを教えることができれば、それだけ受講者も集まりやすくなるかもしれません!
ドローンで副業を始める際の注意点
副業としてドローンビジネスを始めるにあたって、これまでに見てきたこと以外にも覚えておきたい点があります。これらはドローンに直接関係のある知識や技術というよりも、副業を開始するにあたっての心構えのようなものと考えるとよいでしょう。
簡単に稼げるわけではない
年々市場が拡大し、多くの人や企業の関心を集めるドローンですが、それを副業にしたからといって直ぐに、そして容易に収益が得られるというわけではありません。また、趣味ではなくあくまで副業・アルバイトとしてドローンを活用するのであれば、初期費用は可能な限り抑えておくことが望ましいといえます。
これはお金に関する費用に限らず、ドローンの操作の習得に必要な時間や労力なども含まれます。どれだけの投資でどれだけのリターンを得られるかをあらかじめ把握しておくのは、あらゆるビジネスの鉄則です。皮算用にならないよう、副業としての市場を正確に捉え、ときには気長に待ちながらビジネスを軌道に乗せていくことが大切です。
時間を確保する
副業を開始する場合に考える必要があるのは、副業の時間をどの程度確保できるかという点です。たとえば近年ますます多くなっているネットビジネスや在宅ワークの場合、パソコンがあればいつでもどこでも可能であり、時間の融通が利きやすいという特徴があります。そのため、平日の日中が本業に追われていても、終業後・帰宅後は自分の部屋で好きなタイミングで作業ができます。
しかしドローンビジネスの場合、おそらくはそのほとんどが日中かつ現場での作業となるため、時間の調整がそれだけ難しくなります。また、クライアントが企業である場合は土日が休日であることも多いので、自身が平日しか稼働できない場合は仕事を引き受けることができなくなります。どの時間帯を副業に当てるのか、そしてその時間帯で依頼者のニーズを満たすことができるのかを明確にしておくことが大切です。
営業力や関係性づくり、情報発信が重要
副業は、会社勤めの場合とは異なり勝手に仕事が舞い込んでくるというわけではありません。常に自分から情報を発信し、市場にいるであろう潜在的な依頼者・利用者を探すことが求められます。もっとも、だからといって本業の関係者に過度に営業や宣伝活動を行うのも禁物です。場合によっては取引先からの信用を失ったり、社内で処罰の対象となる可能性も考えられます。
直接の友人や知人への営業活動が難しい場合、もしくはそれらに併せて、各種のSNSでの情報発信をするのが近年の集客方法としては主流といえます。また、YouTubeなどの動画メディアを通じて、自身のドローンの操作技術を発信するという方法もあります。
YouTubeであれば動画の再生回数に応じて広告収入も発生するため、集客以外のメリットも期待できます。広告収益とブランド認知を兼ねた、効率的な取り組みであるといえるでしょう!
最新情報を追う
ドローンの技術の進化は目まぐるしいものがあり、市場のニーズもそれに合わせて変化します。そのため、常に業界全体の最新の情報を押さえておくことが大切です。市場の情報をいち早くキャッチすることが、どのビジネス領域でも大きなアドバンテージとなります。
ドローンパイロットの副業の探し方
ますます広がりをみせるドローンの活用方法と、それに伴って高まりつつあるニーズですが、これから新しく副業として始めようとする方にとっては「どうやって仕事を探せばいいのか?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。主な仕事の探し方としては、「求人サイトを活用する」「クラウドソーシングを活用する」「案件受注ツールを活用する」「ドローンスクールから紹介を受ける」といった方法があります。以下では、それぞれの方法についてみていきます。
クラウドソーシングを活用する
求人サイト以外でドローンの仕事を探すのであれば、クラウドソーシングという選択肢もあります。サイトによっては過去の自身の仕事(ポートフォリオ)を詳細に掲載できるところもあるので、ドローンに関する仕事を依頼したい方にとって訴求しやすいという特徴があります。また、プラットフォームによっては金額の交渉も可能なので、自らスキルを売り込んだり、または自身の経験やスキルに合わせて仕事を引き受けることが可能です。
求人サイトを活用する
求人サイトを活用する方法は、従来の求人検索と同様に「ドローン 求人」「ドローン 副業」などのキーワードで検索することで探すことができます。求人サイトや時期にもよりますが、写真や動画の撮影、建築物の点検・調査、ドローンインストラクターなど、ドローンに関する案件が多く集まっています。求人サイトによって掲載数に違いがあるので、複数のサイトで調べてみるのがおすすめです。
案件受注ツールを活用する
上述した求人サイトやクラウドソーシングがドローン以外の案件も多く掲載されるプラットフォームであるのに対して、案件受注ツールは、ドローンの仕事を探すための専用ツールです。ドローンに関する仕事の依頼者と、ドローンのパイロットを繋ぐプラットフォームであり、他の媒体よりも仕事を見つけやすいという特徴があります。また、ドローンパイロットのプロフィールを詳細に掲載できたり、仕事の検収などもワンストップできるため、本格的に副業に(または本業として)取り組みたい人におすすめです。
ドローンスクールから紹介を受ける
これまでに見てきた3つの探し方と一線を画すのが、ドローンスクールから紹介を受けるという方法です。ドローンスクールでは、技術の修得だけでなく、場合によっては受講後に仕事の紹介を受けられることもあります。スクールは受講生の技術を把握していることから、レベルに応じた案件とマッチングしやすく、いわゆるミスマッチが少ないという点も魅力です。また、スクールの受講生同士の情報交換などを通じて仕事に対する理解を深めることができるので、仕事を探すための繋がりとしてドローンスクールは非常に有意義なものとなります。
ドローン副業の収入目安
ニーズが高まっているドローンは副業としても人気で、その相場も安定しつつあります。現在では1つの案件の相場が3万円~15万円となっています。また、たとえば動画の編集など業務も併せて引き受けることで、高額な案件であれば30万円~50万円になることもあるといわれています。
案件あたりの稼働時間は短いもので1時間、長いものであれば半日~1日(待機時間含む)と開きがあることが予想されますが、時給や日給で換算すると高単価であるといえます。
まとめ
ドローンを使ったどのような副業をするにせよ、基本的な知識や操縦技術の習得は必要不可欠です。近年ではインターネットサイトや動画サイトなどでドローンに関する多くの情報を得ることができます。「それでも、実機を操作しながら学びたい!教わりたい!」という方には、ドローンスクールがおすすめです。
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