大阪初!「教育訓練給付金制度」対象講座に認定詳しくはこちら

ドローン国家資格 一等無人航空機操縦士について

目次

ドローン国家資格 一等無人航空機操縦士について

現在、航空産業は新たな時代の到来とともに大きな変革を遂げています。その中でも、無人航空機のひとつであるドローンはその存在感をますます高めており、人々の生活やビジネスの分野でこれまでにない革新をもたらしています。

そんなドローンを幅広く活用していくためには、熟練した操縦士が不可欠となります。そこで注目を集めているのが、ドローンに関する国家資格である一等無人航空機操縦士です。ドローンを操作するために必要な高度なスキルや知識を持っていることを示すひとつの「証し」となるこの資格は、ドローン操縦士としてのキャリアをますます広げるものとなります。

ここでは、ドローンの国家資格である「一等無人航空機操縦士」に関して、試験概要や取得に必要な講習について解説しています。

一等無人航空機操縦士について

ドローン、すなわち無人航空機の登場は、「空の産業革命」ともいわれています。登場した当初は空撮の用途がメインでしたが、技術の進歩と機体の普及によってその用途は広がり、今では測量やインフラ点検、農薬散布など多岐にわたる分野で活用されています。

さらに、将来的には物流や警備、災害対応など、これまでは人の手が不可欠だと考えられていた分野にも応用の場が広まり、いっそう人々の生活やビジネスを変化させていくことが期待されています。

しかしながら、ドローンの利用が拡大するにつれて、その潜在的なリスクにも注目が集まるようになりました。例えば、ドローンの「高空を飛行する」という特性から、墜落や衝突といった事故により深刻な被害が懸念されるようにもなっています。実際に、墜落事故や航空機との接触、建物への衝突などの事例がこれまでに報告されています。

このような状況下でドローンの安全な運航と社会での活用を両立させるために、国は「無人航空機操縦者技能証明制度」を導入することとなりました。この制度では、学科試験、実地試験、身体検査を経て無人航空機の操縦に必要な知識と技術を有するかを判断し、合格した者に対して国家資格としての技能証明を与えるものと定められています。

2023年6月の時点では、「二等無人航空機操縦士」と「一等無人航空機操縦士」の2つの等級が設けられています。

以下では、「一等無人航空機操縦士」に焦点を当てて詳しく解説します。

国土交通省が定める飛行レベルと許可される飛行の種類

「一等無人航空機操縦士」の資格を取得することで、国土交通省が定めるレベル1飛行〜レベル4飛行の内、レベル4飛行までが許可されます。

レベル1目視内で操縦飛行
レベル2目視内で自律飛行
レベル3無人地帯での目視外飛行
レベル4有人地帯での目視外飛行

また、飛行カテゴリーⅠ〜Ⅲのうち、Ⅲまでが原則として可能となります。

カテゴリーⅠ特定飛行に該当せず(※申請不要)
カテゴリーⅡ特定飛行【立入管理区画上空飛行(※第三者上空以外)】
カテゴリーⅢ特定飛行【第三者上空飛行】

無人航空機の飛行形態については、リスクの高いものからカテゴリーⅢ・Ⅱ・Ⅰに分類されています。

カテゴリーⅠは、特定飛行に該当しない飛行であり、航空法上の飛行許可や承認手続きは不要です。具体的には、「人口密集地区以外」で「目視」かつ「日中」に、「人や物と30m以上の距離を保つ」という条件に該当する飛行を指します。

これに対してカテゴリーⅡは、特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じた上で行う飛行を指します。「立入管理措置」とは、第三者の上空を飛行しないことを意味します。なお、カテゴリーⅡは「カテゴリーⅡA」と「カテゴリーⅡB」に分類されます。

カテゴリーⅡAは、特定飛行のうち空港等周辺、150m以上の上空、催し場所上空、危険物輸送および物件投下に係る飛行ならびに最大離陸重量25kg以上の無人航空機の飛行を指します。これに該当する飛行については、立入管理措置を講じた上で、無人航空機操縦士の技能証明や機体認証の有無を問わず個別に許可・承認を受ける必要があります。

カテゴリーⅡBは、特定飛行のうち上記の場合以外(=人口集中地区の上空、夜間、目視外、人または物件から30mの距離を取らない飛行であり、飛行させる無人航空機の最大離陸重量が25kg未満の場合)に特定の条件を満たす飛行を指します。特定の条件とは、「立入管理措置を講じた上で、無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に、飛行マニュアルの作成など無人航空機の飛行の安全を確保するために必要な措置を講じている」という条件です。この条件下で許可・承認が不要とされる飛行が、カテゴリーⅡB飛行に該当します。

カテゴリーⅢは、特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じないで行う飛行を指します。カテゴリーⅡが第三者の上空以外での飛行であるのに対して、カテゴリーⅢでは第三者の上空での特定飛行が可能となります。

レベル4飛行(すなわち有人地帯における、補助者なしの目視外飛行)を含むカテゴリーⅢ飛行は、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に、飛行の形態に応じたリスク評価結果に基づく飛行マニュアルの作成を含めて運航の管理が適切に行われていることが確認されて許可・承認を受けた場合に限ります。

レベル1〜4、カテゴリーⅠ~Ⅲの飛行が可能となる一等無人航空機操縦士は、操縦技術や知識の水準でいえば民間の団体等が実施しているいわゆる民間資格よりも上のレベルに該当します。

主な民間資格としては、以下のような資格(または検定試験)が挙げられます。

ドローンに関する民間の検定・資格・証明書の一例

検定試験(1級~4級)ドローンにおける一定の知識と技術を証明する資格
操縦士資格(3級のみ※2023年6月時点)一般的な回転翼航空機の操縦技術や、座学・実地を講習する際に必要な基礎知識を認定する資格
操縦技術証明証安全運行管理者証明証ドローンの操縦技術と安全な飛行に関する証明書
ドローンメーカーによる認定資格管理するプログラムに合格することで発行される技能資格認定書
オペレーター技能認定産業用のドローンを操縦する人向けの認定資格

一等無人航空機操縦士の試験内容

一等無人航空機操縦士の資格を取得するにあたっては、学科試験と実地試験の両方をクリアする必要があります。

学科試験

学科試験は、全国の試験会場にてコンピュータを活用して行うCBT方式にて実施されます。

試験形式三肢択一式
問題数一等無人航空機操縦士:70問
試験時間一等無人航空機操縦士:75分
試験科目無人航空機に関する規則、システム、運航体制、運航上のリスク管理など
有効期間合格後2年間(※学科試験合格者に発行される学科試験合格証明番号の有効期間)

実地試験【一等無人航空機操縦士「回転翼航空機(マルチローター)基本(昼間、目視内、最大離陸重量25kg未満)」の場合】

実地試験は、以下の構成で行われます。

  • 1.机上試験
  • 2.口述試験(飛行前点検)
  • 3.実技試験
  • 4.口述試験(飛行後の点検および記録)
  • 5.口述試験(事故、重大インシデントの報告およびその対応)

1.机上試験

目的立入管理措置を講ずることなく行う昼間かつ目視内の飛行に必要な知識を有するかどうかを判定する。
科目飛行計画の作成

2.口述試験(飛行前点検)

目的飛行前の点検を適切に行うことができるかどうかを判定する。
科目・飛行空域およびその他の確認・作動前点検・作動点検

3.実技試験(基本に係る実地試験)

目的立入管理措置を講ずることなく行う昼間かつ目視内の飛行に係る操縦能力を有するかどうかを判定する。
科目・高度変化を伴うスクエア飛行・ピルエットホバリング・緊急着陸を伴う8の字飛行

4.口述試験(飛行後の点検と記録)

目的飛行後の点検と記録を適切に行うことができるかどうかを判定する。
科目・飛行後点検・飛行後の記録

5.口述試験(事故、重大インシデントの報告)

目的事故、重大インシデント発生時の報告と対応について、適切に行うことができるかどうかを判定する。
科目・事故または重大インシデントの説明・事故等発生時の処置の説明

一等無人航空機操縦士試験全体の流れ

一等無人航空機操縦士試験を初めて受験する場合、以下の2つの方法があります。

【1】登録講習機関の講習の受講から始める方法
【2】登録講習機関の講習を受講せずに指定試験機関の実地試験を受験する方法

具体的な流れは、以下のようになります。

▼【1】【2】

(1)技能証明申請者番号取得

上記の【1】【2】のいずれの受験方法であっても、最初に「技能証明申請者番号」を取得する必要があります。取得は、 国土交通省が運営管理するドローン情報基盤システムである「DIPS2.0」で行います。

▼【1】のみ

(2)登録講習機関での受講

登録講習機関であるドローンスクールにて、以下の順で講習および審査を受けます。
・学科講習
・実地講習
・修了審査

なお、登録講習機関で講習を受講し、修了審査に通過することで後の「実地試験」が免除となります。
(※登録講習機関であるJUAVACドローンエキスパートアカデミー大阪枚方校では、実地講習も行っています。)

(3)試験申込システム利用者登録

試験申込システムにて、「DIPS2.0」で登録したメールアドレスを入力し、アカウントを登録します。

(4)試験・検査

・学科試験
・実地試験(※【2】の場合のみ)
・身体検査

(5)試験合格証明書発行

合格後、「DIPS2.0」にて技能証明の発行申請を行います。

一等無人航空機操縦士はこんな方におすすめ

一等無人航空機操縦士は、二等無人航空機操縦士よりも広範囲の飛行が可能となります。既に二等無人航空機操縦士の資格を取得している人にとっては「どのようなメリットがあるのか」との疑問もあるかもしれません。

一等無人航空機操縦士の資格は、主に以下のような方におすすめです。

1.ドローンに関する知識をさらに深めたい方

二等無人航空機操縦士の資格がドローンに関する基本的な知識や技術を中心として問われるのに対して、一等無人航空機操縦士の資格ではドローンに関する基本的な知識や技術のみならず、応用分野に関しても幅広く求められます。

無人航空機操縦士のキャリアの第一歩として二等無人航空機操縦士の資格から始めて取得された方にとっては、さらなるステップアップとして一等無人航空機操縦士の資格はこれまでの経験を活かし、より知識や技術を伸ばすための目標として最適といえるでしょう。

資格の取得を目指すにあたっては、知識や経験が偏らないよう幅広く体系的に学べるドローンスクールを活用することが推奨されているので、「上級者になるにあたってどのようなことに取り組めばよいか分からない」「どのような状況にも対応できるオールラウンダーを目指したい」という方にもおすすめです。

2.ドローンの国家資格が必要な方

ドローンに関しては、上述の通り多くの民間資格や検定試験、証明書の制度などが設けられています。もっとも、特定の業務に携わるために特定の資格や検定、証明書の取得や提出が必要という法律上のルールは現時点(※2023年6月時点)ではありません。

とはいえ、ドローンの国家資格の登場により、今後は業務内容によっては国家資格の取得が必須になるというケースが登場する可能性は考えられます。そのような場合に備えて、信頼性のある国家資格の中でも、一等の資格取得は大きな意義があるといえます。

3.幅広いビジネス分野での活用・応用を考えている方

ドローン業界は成長産業として注目されており、さまざまなキャリアチャンスが広がっています。一等無人航空機操縦士の資格を持つことで、業界での信頼性や専門性を高め、将来的なキャリアの幅を広げることが期待できます。一定の操作技術や基礎知識を担保する一等無人航空機操縦士の資格は、ビジネスの世界で重要となる「信頼が得られる」という大きなアドバンテージを発揮します。

JUAVACドローンエキスパートアカデミーのプログラムの特徴

一等無人航空機操縦士の試験を受ける(資格を取得する)にあたっては、ふたつのルートがあります。

ひとつは「指定の試験機関で直接試験を受ける方法」で、もうひとつは「国土交通省に登録講習機関として登録されたドローンスクールにて講習を受けた後に、試験を受ける方法」です。

ふたつめの「国土交通省に登録講習機関として登録されたドローンスクールにて講習を受けた後に、試験を受ける方法」の場合、実地試験の受験が不要になります。そのため、試験の負担を減らすのであれば事前にドローンスクールにて講習を受けるのがおすすめです。

JUAVACドローンエキスパートアカデミー大阪枚方校では、国土交通省に登録された講習機関として認定を受けたプログラム(講習)を実施しています。講習は初学者向けと経験者向けに分かれており、いずれも学科と実技の両方について行われます。講習の修了審査が終わると、指定試験機関における実地試験免除の対象となります。

初学者講習

初学者講習は、ドローンを初めて飛行させる方を対象としています。講習は、座学と実技とで構成されています。

座学では、「無人航空機操縦者の心得」「無人航空機に関するさまざまな規則」「無人航空機のシステム」「無人航空機の操縦者および運行体制」「運行上のリスク」などについて学んでいきます。

座学と並行して、実技の訓練も行います。これまで無人航空機を飛行させたことがない方でも安全に、安心して実技の修得ができることを目指します。講習の最後には、指定試験機関における実地試験免除の対象となる修了審査を行います。

一等無人航空機操縦士は、立入管理措置を講ずることなく、 第一種機体認証を受けた無人航空機を使用し、特定の場所で飛行させる際に必要な資格です。二等無人航空機操縦士よりも多くの知識・能力を有することが求められる資格であり、カテゴリーⅢ飛行に必須の項目を学びます。特に、飛行に伴うリスク管理・評価結果・軽減策に関する項目を重点的に学習していきます。

経験者講習

経験者講習は、特定の民間技能認証ライセンスを所持している方や、二等無人航空機操縦士取得済みの方を対象としています。

学ぶ範囲は座学・実技ともに初学者講習と同様ですが、経験者講習の大きな特徴として、初学者講習よりも講習時間が大幅に短いという点が挙げられます。初学者講習は約12日間ですが、経験者講習では学科・実技・修了審査を約4日で終えるスケジュールとなっています。

一等無人航空機操縦士講習の受講費用と内訳について

一等無人航空機操縦士講習(初学者向け)の受講料

コース名金額(税込)
①基本コース+目視外飛行+夜間飛行(おすすめ)950,950円〜
②基本コースのみ827,750円〜
基本コース+目視外飛行915,750円〜
基本コース+夜間飛行862,950円〜

一等無人航空機操縦士講習(経験者向け)の受講料

コース名金額(税込)
①基本コース+目視外飛行+夜間飛行(おすすめ)459,250円〜
②基本コースのみ309,650円〜
基本コース+目視外飛行397,650円〜
基本コース+夜間飛行371,250円〜

※各コースの講習機体はJUAVACがご用意いたします。
※受講費用およびカリキュラム内容等は、予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。

詳しい金額についてはこちらからお問い合わせください。

お問い合わせ

無人航空機操縦士の資格や取得のために必要な講習についてご不明な点がありましたら、JUAVACドローンエキスパートアカデミー 大阪枚方校へお問い合わせください。

説明会について

JUAVAC ドローンエキスパートアカデミー 大阪枚方校は、定期的にスクール説明会およびドローン体験会を開催しています。

1時間ほどの説明会・体験会の中で、スクールの概要説明やドローンについての質疑応答を行い、さらにはドローンの操縦・空撮も体験も行います。

ドローンスクールや資格、講習に関して、

「一等無人航空機操縦士資格について知りたい」
「初心者向けの講習内容について知りたい」
「経験者講習の講師について知りたい」
「ドローンの飛行に関する設備や機材、飛行場などを確認したい」

といった方は、ぜひご参加ください。これまでに一度もドローンに触れたことがないという方もゼロから分かりやすくドローンについて学ぶことができるので、お気軽にご相談・ご参加ください。

目次